主治医の開業予定と不安

ばらの花

仕事はどんどん暇になってゆき、私の存在理由が無いような日々を送っていた。毎日会社に通うのが辛かった。
職員が増えたために私のデスクは他の部署に追いやられてしまっていた。その部署の仕事をするわけでもないので居心地が悪く、ときにはその部署の手伝いをさせられたりもした。
私は派遣と言う立場でひとり孤立してしまったようだった。
すがるような気持ちで休みをとり、診察に行った。
午前中の予約だったが、診察が長引いているらしく、たくさんの患者さんが待っていた。
昨年、主治医から聞いた、転任の話を患者さんにしているせいだろうと思った。
私は前もって予定を聞いていたから、それでもいいほうだと思った。急にこの病院を辞めると切り出された患者さんは、少なからずうろたえると思った。ここに残るか、先生についていくか、二者択一を迫られるのだから…。
私の診察は予約より1時間程遅れてはじまった。
はじめに年賀状のお礼を言った。主治医は「こちらこそ…」と微笑んでくれた。
(つづきは後で書きます)