妹の負担

夕焼け空

土曜日、弟も遠方から駆けつけて、実家にも病院にも行かなければと思いながら、気持ちが行動を抑制して考え込んでしまう。
妹は、この1週間、仕事をしながら実家に泊り、母のケアもしながら、病院にも様子を見に行っているようだった。妹に大きな負担をかけている。すまないと心苦しく思いながらも、何故か足が向かない自分に自己嫌悪していた。
夫がまた無口になっている。空気が冷たく澱んでいるように感じられ、こころが締め付けられる感じがする。夫には迷惑をかけたくない。それでも、妹との連絡で携帯が通じなかったりすると夫は気分を害するのか、無表情になる。なんとかしたいともがくほど、状況は悪くなっていく。
昼過ぎ、妹は電話で父母の様子を話してくれた。腹部の張りも治まってきており、順調に内容物が出ていること。来週の月曜日には内視鏡が出来る状態になるだろうということ。母の朝の世話はしていること。夜はヘルパーさんに入ってもらい、夕食の世話も出来ていること。明日はケアマネージャーさんと今後の介護プランについて話し合うこと。
今、妹が実質介護のキーマンになってしまっている。結果的に経済的にも負担を強いてしまっている。
妹は、これ以上、仕事は休めない…と言っていた。私が平日の病院関係の用事を代らないと妹も限界だろうと思う。来週は私が仕事を何とか調整して病院に行くことになるだろう。
ケアマネージャーさんとの話にも、わざわざ来なくてもいいと言われた。
少し疎外感を感じながらも、妹の奮闘に感謝した。ただ、ひとりに任せきりではいけない。私は責任を逃れたわけではないのだ。
夕方、9月半ばに叔父の法事で着た礼服をクリーニングに出しに行った。この服を近い将来着ることが無い様に祈った。
夕焼けが明日の天気を知らせていた。喉が異様に渇いて、近くの自動販売機でペットボトルのお茶を買った。こころがざわついて、気がつくと視線は宙を彷徨っていた。