青空

観覧車から

来週末は祖父の法事のため愛媛に2泊3日になるため、私にとっては夏の最後の週末。
朝早く洗濯を済ませ、朝食を準備しながら、今年の夏は海に行かずに終わってしまうなあ…と思った。毎年何らかの形で夏は海に1度は行っていたのに…。
けれど、この身体、去年の水着が入るだろうか…。箪笥の奥から水着を出して着てみた。ぎりぎりだったが、なんとか着れた。去年はこの水着が少し緩かったのに…とてもがっかりしたけれど、なんとか着れるのなら…と、夫にプールに行かないかと誘ってみた。福引で当たった遊園地のプール券も2枚ある。
「天気が良ければ」
と夫の返事に、天気予報を調べる。ピンポイントで降水確率が0%だった。
「雨、降らないよ」
夫は無言で準備をしはじめた。すでに夫は少し前、辞めた会社の仲間とプールに行っていた。私も行きたいとその時話して断られたので、次回は行こうねと言ってあったのだ。
遊園地のプールは、夏休みのせいもあって、どのプールも子供連れのファミリーであふれていた。若い人もそこそこ居たが、子供とその両親、その祖父母という様なグループで来ていて、テントを立てている家族もいるし、プールサイドにもプールにもスペースもない。
私たちは喫煙所の近くにやっとスペースを見つけシートを敷いてビールを飲んだ。
流れるプールは事故の影響かやたら点検が念入りだったが、久しぶりにプールに入ってみた。
水は冷たくなかったけれど、水圧が心地よく、時々強い風が吹いてきて汗だくだった身体が、すうっと冷えていく。人が多すぎて泳げる状態じゃなかったけれど、何度かプールに入っていたら眠くなってきて、プールサイドで仰向けに寝てみた。
雲が殆ど無い真っ青な空が見えた。
今年の夏もこれで終わりなのかな…
もう一度、去年の体型に戻って、海に行けたらなあ…
少し眠ってしまった。「ビール飲む?」と夫に聞かれて目が覚めた。
こうして穏やかに時間が流れていくのが本当は幸せなのかもしれない。
日が傾くまでプールで遊んだ。夫はボートを借りてきてプールで昼寝していた。
閉園時間になり、賑やかだったプールは急に寂しく静まり、流れも止まった。
名残惜しくて、隣の遊園地に無理矢理夫を連れて行き、観覧車に乗った。
観覧車から眺める空は高く、もう秋の気配がしていた。