アール・ブリュット展

27日までハウスオブシセイドーで開催の「Passion and Action − 生の芸術 アール・ブリュット展」を観てきた。
アール・ブリュットアウトサイダーアートと近似の分野だと思うけれど精神に障害を持った人が内面から突き動かされるように表現した作品群で独特の幻想的かつエネルギッシュな雰囲気をかもし出していた。
私は女性の作品で執拗に布に盛り上がるほど刺繍を施した作品に魅かれた。自分が布を扱った作品を制作しているからかもしれないが、恐ろしいほどのパワーを感じた。
私自身の作品もアールブリュットの分野に入るものなのかもしれない。人によってはその異質さに怖ろしさを感じるようだ。
最終日前の夕方のギャラリーは若い観客で賑わっていた。彼らはこの作品を観て何を感じるのだろう。
私は何か同質の波長を作品から受け非常に疲れてしまった。精神障害者としての感覚が作品から溢れ出し共振してしまったようだ。
その日の夜は悪夢を見てうなされてしまった。
障害者の芸術を健常者の芸術と分けて考えるのは私はあまり好まないが、外に表現しようとして制作されたものではない点で通常の芸術作品とは明らかに異質な部分はある。障害者が隠された存在でなくなるようになればおのずと作品は外に開かれたものになるのかもしれないが。