思い出してくれてありがとう…

郵便物のなかにずっと昔働いていた頃の元同僚からの封書があった。
ご無沙汰しているしどうしたのかな、と思いながら封をあけた。
中には手紙と渋い緑色の裂き織りのコースターが入っていた。
手紙には、旅行をした折に土産物屋で見かけて私の作品を懐かしく思い出したと書いてあった。
丁度申し込んだ仕事がまた断られたところだった。
荒んでいた気持ちがほっと和んだ。
時間をかけて織られたコースターは「焦らないでいいよ」と言ってるように思えた。
元同僚の穏やかな笑顔を思い出した。
あの頃、残業が続いても皆楽しく仕事していた。
休日にはみんなで出かけたりして毎日が笑顔に溢れていた。
皆若かったからかも知れない。でもあの頃の懐かしい顔をひとりひとり思い出して暖かい気持ちになった。
ありがとう…私を忘れないでくれて。
私もあなたの笑顔を忘れない。
あの頃のように私も笑顔が取り戻せたら…
そんな気持ちの午後、パソコンで仕事を探すのを少しやめてみた。