治りますよ!

一度診察室を出て内科待合に戻る。神経内科受診…。予約なしの患者は女医さんが担当だ。少し緊張が緩む。以前何度か倒れたときも神経内科にお世話になった。その時も女医さんだった。私はやはり女性の医師に母親転移しているのかもしれない。
名前を呼ばれ診察室に入ると若く美しい女医さんが「こんにちは」と微笑んだ。
主治医のカルテの内容を事前に読んだ上で、右手が動かなくなった経緯を詳しく聴いてくれて、私の疑問や質問にも丁寧に歯切れよく時々笑顔で答えてくれた。次に触診し握力や痺れの範囲、振るえなどを診てくれた。明るく対応してくれるので気分が落ち込まず安心した。もっと簡単に扱われるかと思ったのでこんなに丁寧に診てもらって本当に感謝の気持ちになった。
結論として、薬の副作用としては早く出すぎている点、片手だけであることから、肘の神経が圧迫されて痺れや手首の脱力、指が動きにくい状態になっているのではないかと思われると言われた。検査や対応については少し時間を下さいと言われ、一旦診察室を出た。
少し待つとまた診察室に呼ばれた。今日は外来担当ではない主任医長も同席していた。驚いたが雰囲気は和やかだった。
もう一度主任医長の医師が触診をしてくれた。肘から手指に繋がる神経が圧迫されているらしいこと、ビタミン剤で回復を促し少し時間はかかるけれど治ること、こういう神経障害を起こしやすい体質があるから普段から食事のバランスを考えアルコールは控えることを説明してくれた。「大丈夫ですよ。治りますから」明るい声で言われて嬉しかった。
その後担当の医師がもう一度どんな薬を出すか説明し、痺れを起こす原因になる病気(膠原病など)が無いかどうか念のため血液検査をすることになった。結果は次の心療内科の予約日に合わせてくれた。本当に丁寧に明るい雰囲気で不安を感じさせない診察で心から感動し感謝した。
血液検査のため検査課へ。なかなか血が止まらなかった。安堵して体から力が抜けたようになってしまっていた。採血が終わると再び内科受付で検査から戻ったことを告げ、主治医の診察を待った。