涙は明日流すから…
会社を出ると本当に雨が降っていた。傘をさすと真っ直ぐに支えられず左に傾く。手首の力はまだ回復していない。文字も手首を支えたり角度を変えたりしながら悪戦苦闘して書いていた。何でこんなことになって、仕事も失って…
夫の叔父がいま意識不明だという連絡を昨日受けた。いつ呼ばれてもいいように心の準備をするよう義姉から電話があったのだ。
週末の連休の母の介護はどうするのだろうか。妹にまた頼むわけにはいかないかもしれない。
ペットはどうしよう。誰に預かってもらったらいいのか…。
これでもかと苦しみが覆いかぶさって来る。
傾いた傘の中で私は泣きたかった。でも、今日は涙は流さない。
疲れた夫が帰ってくる。薬が私を支えてくれる。
涙は明日のためにとっておこう。明日病院ですべて吐き出してくればいい。