事実上の…

それは解雇通告と同じだった。終業後、私一人が残され社長と話をした。
10月から私には仕事を依頼する予定はなく、早くて11月上旬にならないと仕事の予定は分からないという。もし別に派遣などで仕事があるのならそちらで働いてはどうかと…。
それは本当にそっけない、事務的な通告であった。
この会社には私という病気で私生活に事情がある人間は重すぎるということだろう。抱えきれない。率直だが情は感じられなかった。
不自由な右手で履歴書が書けるだろうか…そう思ったら泣きたくなった。でも涙も出なかった。凍りついたような時間が流れた。
私は社長の言い訳のような会社の方針を無表情で聞き流した。
縁が無かった。だだそれだけのことなのだろう。
帰り際、早速引き継ぎの残業をした。心の中で雨が降っていた。