主治医に電話

この所ずっと下痢気味だったが、今朝ついに下血が始まってしまった…。ストレスだと思う。仕事に行く気力が失せている。今日決定的なことを言われることは分かっているから。
出勤前、カフェに駆け込みアイスコーヒーを頼んで(出来るのが早いから)病院に電話する。代表電話で事情を話し、内科案内に回してもらう。そこで更に同じことを話しカルテを出してもらう。主治医は診察室に入っていない。今日は午後の予約からだから午後に電話してくれと一度は断られる。そこで更に食い下がって救急外来で言われたことをそのまま話す。担当の看護師はそのまま少し待つようにと言って保留音に変わる。
しばらくして「はい」と静かな声で返事があった。一瞬驚いて声を失う。医局に居たのだろうか、主治医の声だった。
私は今までの不安を早口で吐き出すように話した。主治医は黙って聴いている。「副作用なら両手に出るはずだと薬剤部に言われたんです」「そうですね。左右感が気になりますね。」「明日外来を受診しますが…」「首の神経が関わっているかも知れないので神経内科も同時に受診するようにしてください」「はい…」
私は少し興奮して話していたと思う。主治医は私の不安を鎮めるように低い穏やかな声で必要な指示だけ話した。私は少し悲しかった。主治医に迷惑をかけたのではないか。仕事の邪魔をしたのではないか。落ち着かなかった。罪悪感のようなものが心に残った。
明日、不安は解消するだろうか。この右手は回復するだろうか。今日が早く過ぎ去ればいいと思った。
試しにアイスコーヒーのグラスを右手で持ってみる。手首に力が入らず指が震えながらグラスが左に傾く。垂直にグラスを掴めない…。気分が落ちていく。
始業時間は過ぎていた。急いでアイスコーヒーを飲み干し会社へ急いだ。