感謝と後悔と

夫は明らかに怒っていた。昨夜は口もきいてくれず黙ったままビールを飲んで寝てしまった。私は徐々に疲れが体を重く感じさせ覆いかかるような眠気に早めに布団に入った。
夫は何か寝言を言っていたようだ。私のことで心労もあるのだろうと思うと本当に申し訳ない気持ちになった。
夫は今日も仕事を入れていた。ずっと休みなしで働くのだろうか。本当は私が介護に出るからそのように予定を組んだのだろう。私が介護で実家に帰ると夫はひとりになる。それが申し訳なかったけれど私が居ても心配ばかりかけてどっちにしろ夫は心休まることは無いのではないかと思った。
どうしてこんなことになったのだろう?誰のせいでもない。何故穏やかな連休を過ごさせてくれないのだろう…。
夫に心配をかけたことを本当に後悔している。夫はさらに主治医や病院に不信感を抱くだろう。夫の体が心配だ。ここのところ不規則な生活になっている。酒量も増えている。病気や怪我にあわないで欲しいと祈るような気持ちになった。
右手が不自由になって、初めて左手があることへの感謝の気持ちが湧いた。日頃何気なく体を動かしているけれど動いていることのありがたさをこんなに感じたことはなかった。そして失敗を繰り返す妻にまだ一緒に居てくれる夫に心から感謝の気持ちを強くした。
けれど、今朝はほとんど口をきかず私には顔を背け無言で朝食を食べ仕事に出て行った。
至らない妻でごめんなさい…まだ許してもらえるでしょうか。