父を励ます

体力不足に泣いた週末介護だったが、薬の効きのバランスが良くなったのか、家族に対する否定的感情は抑制された。父母と接する時も以前より自然に話せる感じがした。否定的感情が身体化しただけかも知れないが締め付けられるような苦しさからは解放されたような気がした。
私は父に対してどうしても許せない感情を持っている。今もそれは消すことは出来ない。けれど母の介護をマイペースで続ける父を見て努めて会話するように心がけた。父は仕事と介護で痩せてしまった。元気そうに見えるがストレスを日々受けて内面はダメージを受けている証拠だろう。私は父を気遣い、無理しないよう声を掛けるだけで父の表情は穏やかになる。父は元放送作家だった。今も文庫本を手放さず、時間が空けば文学の世界に逃避する術を持っている。それでいいのだと思った。本当は目の前に居る母と会話するのがベストだろう。だけど無理しない、ベターなところで自分自身を無意識にケアしている。母とは私や妹が頻繁に電話で話をすればいい。
一度は自分の心から排除した父の存在…今は私の中で少しずつ変化している。