側に居たい

母が在宅介護を受けるようになってそろそろ1週間になるだろうか。今日はデイケアの日だったと思い、どんな様子だったか実家に電話した。ずっと話中だった。心配になって父の携帯に掛けたが出ない。少し時間を置いてもう一度掛けたら母が電話に出た。1週間ぶりに母の声を聴く。デイは?お風呂はどうだったか聞いたら、診断書が必要でお風呂に入れなかったようだ。話は入院中の思い出話と現在の話が交錯している。それを正さずに聴いていく。結局昨日シャワー浴を自宅でしてもらったから、今日は病院の美容室でシャンプーをしてもらって帰ってきたようだった。診断書が半年前のもので使えなかったらしい。明日病院に行くと言うので、主治医は月曜日が外来だから月曜日に父に連れて行ってもらうように話した。母もそうだねと言っていた。ここ2〜3日、肌寒い日が続いているのに、お風呂で温まることも出来ないなんて。きっと今日も寒かったに違いない。母が可哀想で胸が詰まった。「明日はそっちに行くから」と私が言うと「無理しなくていいよ」と母が言う。もう午後6時も近いのに寒い部屋で独りでいるのだろうか。実家に帰るのは辛い。けれど母の側に居てやりたい。矛盾する気持ちが心を乱す。夕方の薬にフルメジンを1錠追加して飲んだ。カフェを出ると夕暮れのオフィス街を泣きながら歩いていた。ただ母のことが悲しくて涙が溢れた。私は何の為に生きているのだろう。何にも出来ないなら生きていても無駄な気がする。母を暖めてやりたい。それすら出来ない私は生きる資格なんてないような気がする。