予約時間の変更

私の診察の日と母の退院のムンテラの日が重なってしまった。私の予約は午前中だが10時だから前の人の状況によっては遅れる可能性もある。予約時間を早くしてもらえないか電話してみることにした。主治医への初めての電話。きっと診察中。迷惑だろうと思ったけれどなんだか頭が混乱して涙が出て先生の声が聞きたかった。
「はい」ちょっと不機嫌そうな声だった。ああ、診察の流れを止めてしまったんだと思って申し訳ないと思った。涙が出て止まらない。「患者の○○です。すみません、来週10時に予約しているのですが、母の退院のムンテラが入ってしまって…」「あぁ…」声のトーンが変わる。私だと思い出したのだろうか。「それで…あの、予約を早めていただく事は可能ですか?無理なら仕方ないのですが…」「そうですね、9時から9時30分の間は空いてますから、9時ではどうですか?」「はい、9時でお願いします。ありがとうございました」急いで受話器を置いた。涙が止まらなかった。何でだろう?先生に切羽詰った気持ちを伝えたかったのだろうか。どうしても先生の声が聞きたかった。診察中の患者さん、ごめんなさい。本当は電話はしちゃいけない。治療が止まってしまうから。だけど、どうしても先生に電話したかった。他にこの苦しい気持ちを聞いてもらえる人がいないから。先生、患者さん、ごめんなさい。本当にごめんなさい。。。