もう躁転してる

着替えが済んで落ち着いた母に、マスタードイエローのブラウスを見せた。「着るならあげるよ。着ないなら私が着たいから持って帰る」それは手織りの肌触りの良い木綿でスタンドカラーはゆったりと首を飾る一目ぼれして買った服。また母にけなされるなら、私が着ようと思って買った服。
母は広げたその黄色いブラウスを「着たい」と言った。着替えさせてみた。ウエスト周りもたっぷりとして丁度良いサイズだった。悲しかったけど、母に着てもらう事にした。入院生活でお洒落もそれほど出来ないのだろう。嬉しそうに目を輝かせていたから、私は諦めた。大切に着て欲しいと思った。でも、何故だろうこの悔しい気持ちは。母が喜んでくれればそれでいい筈なのに。
帰りの駅前のショッピングモールで、勧められるままに春物のベストやカットソーを衝動買いした。なんかむしゃくしゃしていた。そしてはっとした。もう、躁転してる。どうしよう…今、落とすわけにはいかないし、当り散らして周囲に迷惑をかけてもいけない。ああ、何でこんな時に。しばらくは元気でいなくてはいけないから抗うつ剤を減薬は出来ない。安定剤で押さえつけるしか方法はないだろう。そうすると脱力してしまう…悪循環。何で?何で?先生!リチウムですかっ?