まだ戻れないけれど…

主治医の説明の後、夕食前の母に、「あと1ヵ月リハビリしようって先生が言ってたから、もう少しがんばろうね」と話した。なるべくゆっくり、希望を持たせるように話すのは難しかった。母は落胆したようだった。その気持ちと裏腹に笑ってしまうのが哀れだった。「また1ヵ月閉じ込められるのか…」そう言いながら吹き出して笑う。「外泊はだめだけど、車椅子で外出はいいって。先生がね、展覧会とか観にいって気分転換するのはいいって言ってたから、今度、外に出てみようね」母は悲しそうな顔をして頷く。そうだ、嬉しいときは悲しそうに、悲しいときは笑ってしまうんだ。きょう新しいパジャマを買って見せたとき、新しい花を活けた時、母は悲しそうにしていた。感情が逆転しているんだきっと。父は母の勘違いを叱りつけて正すけれど、それは母の症状を悪くするだけだから接し方を考えなくてはいけないな。
先生、来週末の診察にはたくさん話したいことがあります。時間オーバーしないようにメモを作らなくては。

心配して何度もここを訪ねてくださった方々に深く感謝します。何とか1日、乗り越えました。もう目の前にはやるべきことが沢山待っています。私は前に進みます。どうもありがとうございました。