残されたひとの穏やかな微笑み

「偲ぶ会」は彼女の交流の広さを表すように盛会だった。ひとり残された旦那様を囲んで会場から人が溢れるほど賑やかに彼女を介して交流の輪が広がっていく。ここに彼女が来ているのだな、この賑やかさは。そしてみんな彼女が好きだった。彼女を偲ぶ会らしく、時間は1時間も延長し、みんな笑っていた。会場の中央に穏やかな微笑をたたえて静かに彼女の仲間の話を聴いている旦那様の姿が印象的だった。まだお別れして1ヵ月…でも彼女のやりたいことを優しく支え続けて、きっといいお別れが出来たのだろう。母のことで心が乱れている私は未熟だなと思った。この場に来るまでにいろいろな迷いがあったけれど、参加してお別れが出来てよかったと思った。残された旦那様がどうか健康で穏やかに過ごせますように…この機会をくれた彼女にも感謝した。