空っぽなこころを埋めるもの

タコライス

仕事に対する意欲が失われつつある。原因は私があまりにも何も出来ないことが分かって来たのに、新しい仕事が増えていき、要領よくこなせないと自己嫌悪に陥ってしまうから。
私はやっぱり病気なのだと思う。他の派遣さんのように、自信を持って社員さんと話が出来ない。例えば、ちょっとした世間話などが口から出てこない。話しかけるタイミングを見つけられない。ひとりだけ浮いてるような、悲しい気分になる。
今までは、忙しいからランチはデスクで食べていた。本当は1時間休みがあるから、他の派遣さんは別室でゆっくり休んでいるのに、私は30分くらいしか休めなかった。要領が悪いからだと思う。それで、少し夏休み体制になってきて、仕事が緩やかになってきたこの2週間位、ランチを外食するようにしてみた。
会社近くのカフェでランチを摂るようになって、少し気分が安定してきた感じはする。ただ、過食が治まったわけではないし、外食はカロリーも値段も高くつく。でもひとりでおしゃれなBGMが流れるカフェで食事をしている時は、朦朧としたり、おどおどしたりしないでいられて、それは快適だった。
必ず頼むものがある。それはアイスティー。紅茶が飲みたいのではない。氷が齧りたいのだ。
出された水の氷も食べ、アイスティーに沢山入っている氷をほおばるようにして齧る。こころの空白を埋めようとしてるみたいに。傍から見たら奇怪な行動をしている客だと思う。
氷まで食べつくすと胃は冷蔵庫にいるみたいに冷えて、自分がどんどん醜くなっていく恐怖をその間だけ忘れていられる。
仕事を始めてから、体重はどんどん増え、今人生で体験したことのない重さにまでなってしまった。周囲の人も気づき始めているはずだ。
この身体をリセット出来たなら。
氷を齧り終わるとしばらくして、私のこころは不安定になっていく。
仕事と過食、どこがどうつながっているのか、今はまだわからないでいる。
来週から夏休み体制で、私自身は忙しくなる。慣れない仕事のヘルプに回る。
また新たな不安がアイスティーの氷へ私を向かわせる。飲みたくも無いのに…。