休めるときに休んでください

昨日、派遣の営業担当者から電話が入った。私が書いたワーキングレポートの内容についてだった。レポートに通院のことを派遣先に話していないけれど、薬を処方してもらうためにお休みがとりたいと記入していた。
派遣先は健康なひとを求めている。私はある意味その事実を話さずに就業契約を結んだ。嘘はついていないが、必要な情報のひとつを隠して働いてきたのだ。
今回、就業契約が6月末まで延長になり、薬の処方の限界3ヶ月を超えることになってしまい、どうしても休まなければならなくなった。
派遣会社の営業担当者は、今後更に延長の可能性もあるので、通院のことは話したほうが良いとアドバイスしてくれた。それで何かあれば会社として対応すると応援してくれることになった。
「きょう、話さなくてはならない…」と思うと気が重くなった。病気の事で契約が切れることも予測された。派遣先の反応が怖かった。
どんなふうに話すか頭の中でシュミレーションした。主治医の言葉が頭をよぎった。
「正直すぎなくてもいい」
それは、裏を返すと上手に嘘をつくこともお互いに必要だということ。
定時が過ぎ、社員が少なくなったフロアで最初に課長に話を切り出した。
「お休みを頂きたいのですが…」
課長はごく自然に、「いつ?その日なら大丈夫。休めるときに休まなきゃね」と快諾してくれた。私は話を続けた。
「実は通院していまして、お薬の処方のためにお休みしたいのです…」
課長は顔色を少し変えて、「え?何の病気?体は大丈夫なの?」と尋ねてきた。私は嘘はつけなかったけれど本当のことは話さなかった。精神障害であることは話さずに症状を話したのだ。そして薬を服用するように主治医に言われていること、薬を服用していれば仕事に支障はないことを話した。内心どきどきしていた。課長の反応が悪かったらもう仕事は続けられないと思った。
「そうかあ。無理しないでね。お仕事は大丈夫なのね」
拒否はされなかった。張りつめていたこころがほっと緩んだ。
職場に精神障害を受け入れて欲しいと訴えるのはまだ時期尚早なのだろう。それは理想ではあるけれど共に働くスタッフにとって重荷を背負わせることになる。私は細心の注意を払って症状をコントロールし症状が仕事に支障を与えないよう努力するしかないのだ。
翌日、始業前の部長に簡単に欠勤の了承を頂いた。1〜2ヶ月に1度か2度の欠勤。周囲を見回せば社員も忙しい時期を除けば随分休んでいる。私だって休んでもいいのだ。
今まで私は休んではいけないと自分に課してきた。それで仕事の幅を狭めていた。今回、そっと事情を話したことで少し気持ちが楽になった。
通院しながら仕事をすること…それが私の課題だった。主治医とも随分相談してきた。今回その課題をひとつ乗り越えられた気がした。
今度の通院日、まず最初にこのことを主治医に報告したいと思った。