パワーストーン

早めに仕事が終わり、今週は社長の都合で出勤がキャンセルになった。不安が押し寄せて誰かと話がしたかった。
薬を飲むために入ったスタバで実家に電話した。父が出た。預かっている鳥はおとなしく元気にしているという。週末に介護に帰るのでそれまで預かってもらうことにした。実家では鳥が居ることで賑やかな雰囲気になっているようだった。介護の現場でペットの果たす役割は意外に大きいかもしれない。その場を和ます力がある。母と話したかったが電話は短く用件だけで切られてしまった。
夕暮れの店内でひとり。夫に電話したが移動中。寂しかった。この先この仕事でいいのだろうか。不安が体全体を覆っているような感じがして帰ってから飲もうかと思っていた薬も全部飲んでしまった。どうしたらこの状態を抜けることが出来るのだろう。もっと定期的に仕事が入らないとこの先やっていけなくなる。本当に人生は理不尽なものだなと思って少し泣いた。
帰りがけ、乗換えで立ち寄った駅ビルのイベントでパワーストーンを売っていた。作品に使えそうなパーツの簡単なブレスレットをみつけたので効能も考えず買った。アベンチュリンとフローライトを使ったもの。帰りの電車の中で効能書きを読んで納得してしまった。アベンチュリンは「感情を落ち着け、人に心を開いて接することができる」フローライトは「才能開花の石。また精神安定、精神集中を助け、愛と平和をもたらす作用があるとされる」…精神安定剤みたいなものを求めていたようだ。
しばらく身に着けてそれからパーツを外して作品に使ってみようと思う。