ふいに涙が…

ランチタイム、目を腫らして元気の無い私は、誘導されるように昨日の出来事を話してしまった。冷静にあまり心の内を話さないよう心がけたが、あることがフラッシュバックして急に涙が溢れてきて止まらなくなった。スタッフは驚いただろうと思う。少し離れてみたらどうかとアドバイスをもらった。今は、何も決断するべき時ではないと私は思う。ただ、今日の天気のように嵐が過ぎ去るのを安全な場所で待つしかないのだろう。主治医は、これからも心の拠り所になるのだろうか。孤独な気分が沈んでいる。
退社後、私は以前好きだったショップが移転したので、遠かったけれど足を伸ばして行ってみた。半年ぶりに見る洋服たち。やっぱり好きだなあ、と思った。私は私のために綿麻のアンサンプルを買った。生成りの優しい透かし編みの肌触りが心地よい。雨上がりの街は肌寒かったが、久しぶりに友達に会ったようなほっとした気分がした。私は本当に布や糸が好きなんだとその時思った。
いつもより遅く帰宅したが、夫は普段と変わらなかった。普段と変わらず夕食をつくり、食べた。結婚10周年の食卓は夫の好物明太子のパスタであった。