強い意志で人生を締めくくったひと

深夜、NGO仲間のMLに「訃報」の文字があった。思考が止まってしまった。仲間の突然の訃報だった。
彼女は国際NPOに勤務する有能なそして熱い情熱を秘めた信念のひとだった。2年前、乳がんと分かったとき自分の納得いく治療を求めて仕事を辞め遠方の病院へ通院しながら各地の環境保護活動のボランティアを楽しんでいたという。私たち仲間には病気のことは何も語らず、全国の野生動物の窮状を訴え協力を求めていた姿を思い出す。論理的で冷静でその熱い思いを決して押し付けるひとではなかった。今年になって、病状が悪化し、抗がん剤治療に切り替えた。でもすぐ治ってまた大好きなフィールドに戻るつもりだったようだ。
最後に会ったのは悲しくも3月に惜しまれながら末期がんで天に召された仲間の葬儀のときだった。
その時、私はある湿地保護のシンポジウムに参加しないかと彼女に誘われていた。けれど、行けなかった。そのシンポが盛会に終わったのを見届けて、今月の中頃、彼女は仲間にもお別れを告げず最良の理解者だった伴侶に看取られてこの世を去っていたのだった。彼女らしい最期だと思った。
私はいま、彼女に誘われたシンポジウムの議事録起こしを手伝っている。これからは彼女のことを偲びながらの作業になりそうだ。
葬儀はお身内で済まされ、仲間で偲ぶ会を来年することが決まっている。たくさんのひとびとが彼女の思い出を胸に抱いて集まるに違いない。
天国で、大好きな自然の中で思い切り楽しんでください。
さよなら…