笑い声

母は私より身長が高く体重は倍近くある。私が母を介助しようとすると決まって母は「アアアアア」と赤ちゃんのような笑い声を出す。笑う局面ではないのだが笑いが止まらない。目には涙が溜まっている。脳の障害で感情を上手く制御できないのかも知れない。「骨が折れるよ」「今ボキッて音がしたよ」「腰が悪くなるよ」母は私が介助して身体を壊すのを心配しているらしい。だから母が笑っていると私は泣きたくなる。遠慮して生きていくのが辛いから笑っているのだろうと思うから。