大学時代の友人の個展に行った。10年ぶりに先輩のご家族に会ったり、ご無沙汰している友人の近況を知ったり、人がたくさん来て楽しい気分になった。変わった人、変わらない人、いろんな人がいて人生があって。
友人の作品を購入した。小鳥の絵が描いてある小さな油絵。友人価格で値引きしてもらった。どこに飾ろう。
ギャラリーは窓を開け放して風が通り抜けて爽やかだった。友人夫婦も幸せそうだったし、絵も明るく楽しそうなものが多かった。作品には作家の生活や精神状態が出てしまうものらしい。
その後、夫の友人と3人で表参道の青空の下のカフェでビールを飲んだ。夫は南国での生活がいかに楽でストレスがないということを力説していた。ずっと海の話をした。乾いた風が吹き抜けていき、穏やかな時間が過ぎていった。
薬はきちんと飲んでいたけれど、夕刻の憂鬱な気分が出なかった。
今がずっと続いていけばいいのにと思った。
今だけは、風が明日の不安も憂鬱も吹き飛ばしてくれる。