人事異動

いちごのムース

しばらく小さな会社に居たので久しぶりに春の人事異動のそわそわした雰囲気を味わった。
朝から社員はそわそわして落ち着かない。
私は派遣だからこの部署に残るけれど、今まで一緒に仕事をしてきた社員さんたちはどうなるのか気になって、緊張したムードにのまれて仕事が途切れがちになる。
午後、異動が貼り出された。
かなり厳しい結果になった。フロアの社員たちは一様に落胆している。私と組んで仕事をしてきた社員さんは総務に異動になる。やっと打ち解けて励ましあってきたのにとても残念な気持ちがする。他の部署もかなり大胆な人の動きがある。
「もう、ぶち壊そうとしてるの?モチベーション下がる…」社員のひとりが呟く。
社員が定着しない理由がなんとなく分かったような気がした。私の部署には新入社員と異動してきた方が4月から入ってくる。仕事の分担はまだ決まっていない。
今まで一緒に帰ったりしてきた同じフロアの派遣の方は3月末でこの会社を辞め、念願だった訪問看護の仕事に就く。このフロアの派遣は私ひとりになってしまう…不安がよぎる。
部外者であるという疎外感が私を襲う。ただ、淡々と自分の仕事をこなして平静を保とうとしたが、帰りに過食してしまった。
やっと慣れてきた職場だけれど、また始めからやり直し。こころがついていけなくて悲鳴をあげている。