母の誕生日

私は何も贈る事ができなくて、朝、母に電話しておめでとうと言った。母はありがとうと言った。昨年は病院で迎えた誕生日、今年は自宅で迎えたけれど花束でも贈りたかった。仕事が決まったら暖かい肩掛けかベストを贈り物にしたい。新しいケアシューズもいいかもしれない。今は、何も出来ない自分が悲しい。
母にはまた仕事が決まらなかった話をして何も出来ないことを詫びた。母は私の体を心配していた。無理しないでいいからと言ってくれた。
日曜日は妹が展覧会に連れて行ってくれた話をしてくれた。余り夕方遅くに出発したので私は手伝いに行けなかった。美術館には連絡して遅くまで入館させてくれたのだそうだ。
日曜日…と話しはじめたら母はすぐに「ありがとう」と言った。日曜日実家に帰ることを頼りにしているのだと思った。正直今の落ち込んだ気分の中では母の期待が重く感じる。もっと一緒に居てヘルパーさんには頼めないことをして欲しいと思っているはずなのだ。
自信を持ちたい。胸を張って実家に帰りたい。