来年は頼むよ…

仕事帰り、同僚とカフェでお茶することに。
いつも夕方、母に電話している。ちょうど夕食時なので電話に出やすいのだ。今日は同僚がいる前で電話しなくてはならなくて少し気が引けた。
月曜日は診察と病院でのリハビリがあって、疲れたみたいだと言われたそうだ。退院してから初めての外泊。久しぶりに会う仲間。疲れただろう。「でも面白かったし楽しかったよ。来年はあんたもおいでよ」母の言葉に私は一瞬返事に困った。来年…母はどうなっているだろう。絵が描ける状態でいられるだろうか…。そんなことが頭をよぎったのだ。私は笑って「絵はもうたくさんだよ!お手伝いならするから」「じゃ、来年は頼むね」…来年、想像も出来ないししたくもない現実。母は無邪気に未来を話す。未来があると信じている。その気持ちを大切にしていこうと思った。
電話が終わると同僚の介護経験の話になった。私はあまり話さなかった。そのひとは自分の心を整理するために話しているように思った。たくさんの悲しいことがそのひとの長い介護の日々に起こったのだろう。それが終わった後も心はまだケアを求めているのだろう。私にアドバイスをしているのではないのだ。そのひと自身に言葉をかけているのだと思った。私は出来るだけ自分の経験は話さない方が良いと思った。そのひとが楽になれるように心に寄り添えただろうか。
私も介護を終えた後、たくさん話して自分を癒すことが必要になるのだろうな…と思った。