結果オーライ

先日母の様子を見た時には、とてもショックで、父とは今後の医療費のやりくりなど暗い話が山積して本当に参ってしまった。でも今日は、母の生命保険の入院給付のための診断書を主治医に書いてもらって、多分お金の方は今のピンチは切り抜けられそうな雰囲気だった。父が興奮してわざわざ電話で報告してきた。不安だったのだろうな。あの怒鳴るような大声が苦手で声を聴くたび身体がすくむのだけど、今日はしっかり薬が効いていて落ち着いて父と話すことが出来た。
病院に着いたら母は病棟の廊下で杖歩行の練習をしていた。作業療法士さんに麻痺側の手をつないでバランスをとり、遠く離れた車椅子のところまでゆっくり歩いていく。以前より麻痺側の足が出るようになってきた。担当の作業療法士さんも「歩行の上達が早いですよ。焦って転倒して骨折しないように注意してあげて下さいね」と言われた。もうすぐ脳梗塞発症から3ヶ月が経つ。症状が固定する時期だ。ぎりぎりまで回復させようと母も努力しているのだろう。
リハビリが終わった後、手作りしたランドリーバッグを見せたけど、あんまり興味を示さなかった。ちょっとがっかりした。タオルやパジャマ、下着などの「お風呂着替えセット」を入れたらジャストサイズだったのに。しょんぼり。
夕食まで時間があったのでお決まりのカモ観察コーヒータイムにする。ポットを十分暖めてからコーヒーを淹れて来たので美味しかったのか、母は熱いコーヒーを3杯もおかわりした。病棟の端の廊下は肌寒く、私は行きがけに買ってきたピンクの花模様のちょっと和風なマフラーを母の首に巻いた。その柄が気に入ったようだったので、母に使ってもらうことにした。本当は私が欲しかったのだけど…
カモを探しながら母の話を聴いていると、やはり少し言動が不可解なところがある。前回は本当にショックだったけれど、今日は落ち着いて会話することが出来た。壊れていても感情もあるし画家としてのプライドもある。母という人格はちゃんとここにあるのだ。
主治医から、母の病状についての説明の時間が決まった。今週の金曜日。今後の治療目標や回復の見込み、介護認定などいろいろな話があるだろう。それまでに母の認知障害について改めて検査をするそうだ。脳血管型、アルツハイマー型、いずれにしても早めの対応が肝心だと思う。そして私たち家族も変わって行く母と変わらない母を受け容れる準備をしなくてはならないのだ。