一旦強制終了しましょう(心療内科)

先日の一件で自分が壊れてしまったように感じ不安になり予約外受診。看護師さんには2〜3時間待ちになるから一度家で休んだらと言われる。そこは慣れてるので仕事の校正を持ってきて時間つぶし、1時間半ほどで呼ばれていつもより早いので慌てて診察室に。主治医は電話が来て少し長く話していたが、終わると私の方に向き直りカルテをちらっと見ながら「さて…」と言って私が話すのを待っている。もう、何を話すのかわかってるような感じに見えた。
母の介護のことで、ちょっと許せないことがあって、それで怒りとも悲しみとも悔しさとも上手く表現できない感情が湧いてきて、家に帰ったら涙が止まらなくなって、夫はおかしいと言うし、私は自分の感情を制御できなくて一晩中眠れなくて翌日もそのことに支配されて泣いてしまって、私は壊れたんじゃないかと思って…とにかく不安な気持ちを主治医に伝えたかった。自分が怖くなっていた。
主治医はいつもより真剣な表情で私の話を聴いていたが、「普通の人でもその場で怒鳴るようなことじゃないですか。異常なことではないですよ」と声には抑揚はないけれど珍しく感情を表に出して明らかに怒っていた。私は少しびっくりしたけど、おかしな自分を責めていたけど、先生は私が溜め込んだ感情を吐露するのを待っていてくれたんだと思って泣きそうになった。「今回だけじゃない、あなたは今までいろいろ困ったことや苦情を表に出さず溜め込んで来ていますよね。それが火薬になって一度火がついたら、溜まっていたものが次々爆発してしまっている状態です。病的な問題ではなくて普通の人だって怒りますよ。介護は家族皆が時間をやりくりして協力しなければ出来ないことだし、あなたは被ってしまう性格だから、感情はその都度小出しにしていかないと溜め込んだものが溢れたとき爆発が次々起こってしまいますよ」
どうしてだろう?今日の主治医は不思議と言葉数が多い。そしていつもは見せない感情を私に示している。でもそれが力強く私を支えてくれているのを感じる。混乱の中ひとり感情の渦の中に飲み込まれてしまった私を救い上げてくれる。
「でも、翌日まで眠れないで引きずるのは良くないですね。一旦その状況を強制終了させたほうが良いでしょう。弱い睡眠導入剤を頓服で出しておきましょうか。苛まれるほど眠れないのだったら、強制的に脳の興奮を鎮めてやるということです。でも本当は溜め込んで爆発する前に、その都度自分の意思をはっきり言うことが大事ですよ。お話を聴いた限りでは脳の異常で起きた現象ではなくて心理的な問題だと思います」
新しい薬を頓服で処方してもらった。出す薬は分かっていた苦い、あの薬。
私はもっと強くならなくてはいけない。勇気を出して言いたいことを言わなくては。それが辛く悲しいことでも…。
先日の面接からまだ1週間も経っていない。あの時の面接の不完全燃焼を覚えていてくれたのだろうか。主治医は待っていてくれたのだと私は思った。私には修正しなくてはいけない沢山の課題がある。けれど、その前に大きな苦悩を吐き出す場を作って、その中に溺れることを止めてくれた。
感情の暴発を強制終了して、新しくリセットした自分で前に進むこと。そうですね、先生。