会話の無い夫婦

今日は病院に行こうと思っていた。朝、もたもたしていたら昼過ぎになってしまい、向こうに着くのが夕方になるから諦めることにした。でも、いいお天気、年末ジャンボ宝くじも売ってるし、銀座に行くことにした。
私は電車に乗ると酷い眠気と眩暈におそわれ、夫と話もせずに死んだように眠っていた。乗り換え駅で起こされる。夫は既に不機嫌になっている。「変な薬を飲んでいるから眠くなるんだ」と言われる。そうじゃないのに、電車に乗ると気分が悪くなるんだよ。でも体調の悪さを夫に話せば、それも薬や医師のせいにされる。私は言葉を失う。銀座に着くまで、私は本当に意識が無かった。夫は薬に頼る私の心の弱さやだらしなさに呆れて怒っているんだ。生活を規則正しくすれば治るのなら、あなたと共に生活していて病気にはならなかったはずではないの?ひとりひとり体質は違う。上手く行かないことだって有るのに。自分の考えだけが正しいといって譲らないのだ。
それから二人は会話がなく、ただ夫の後をついてまわっただけだった。途中で夫の居ないところで夕方の薬を飲んだ。ペットボトルのお茶で流し込んでむせた。泣きたくなった。
私たちはこれからも一緒に生活していけるのだろうか。
私は一人でも生きていける能力が欲しい。一人でも自信を持って生きていける経済力と体力と精神力が欲しい。努力してるのに、努力だけじゃ駄目なのかな…
家に戻っても、夫は私に背を向けたまま、口をきいてくれなかった。夫の居ないところでどうしていいかわからなくて泣いた。色んなことを考えなくてはいけない。私なりの考えがある。でも夫は私を馬鹿な判断力の無いだらしない女だと思ってるから、まともにとりあってはくれないだろう。心が引き裂かれていくような気分になる。痛くて痛くて真っ黒い血がどろどろと足元まで流れている。ふっと、自分が消えたらどんなにいいだろうかと思ってしまう。